最大限の力 常に発揮
〜 合気道奥州道場 一関教室 〜

静かな道場に響く、畳を擦る音。合気道奥州道場一関教室(菅原美喜子道場長)の子供たちが稽古する一関武道館の空気はピンと張り詰め、マスク越しでも真剣さが伝わってくる。
「はっ」と呼吸を整えて指先まで気を巡らせる。稽古は約1時間。年度末に行われる審査での昇給に向けて、1つ1つの動きを丁寧に技の習得に励む。最後まで集中力を切らさず、真っすぐな姿勢を貫いた。
礼儀作法だけでなく、心身のコントロール法を身に付ける、どんな場面においても最大限を発揮出来る力を養う武道。平泉小3年の佐川李里穂さんは「兄を見習い始めたものが、今は楽しい。指先を綺麗に伸ばすなど、よりお技を磨いていきたい」を目標を掲げる。
菅原道場長(64)は合気道歴45年以上。修行と指導のためにスイスに渡り、現地で道場を開設するなど国内外で精力的に活動し、2005年に奥州道場を開いた。「子供たちには合気道が楽しいという感覚をいつまでも持ち続けてほしい」と願う。
稽古は一人一人道場長と向き合い、礼をして終了する。内面を互いに高め合う子供たち。小学3年生から続けて居る一関・祝い中1年の宮本悠里さんは「合気道をやっていることは自分の誇りだ」と笑った。
【合気道奥州道場 一関教室】
一関市や平泉町の5歳から中学3年生の11人が在籍。練習は一関武道館で毎週火、木曜の午後6時15分から1時間程度。水、土曜日の同道場奥州教室にも参加可能。月謝4千円問い合わせは菅原美喜子道場長(080・5695・9129)へ。
9段の心技 間近に
〜多田宏師範が特別講習〜

現役の合気道家で唯一の9段を有する、多田宏師範(89)=東京都在住=がこのほど、水沢秋葉町の水沢武道館を訪れ特別講習会を開いた。県内及び青森や宮城。東京などから約75人が集まり熟練の技と心を学んだ。
多田師範は合気道創始者・植芝盛平に直接教えを受けた弟子の一人。慶応大学などで師範を務め、イタリアを中心にヨーロッパ各地で合気道を広めた。その功績が認められ、94年に日本武道協議会の武道功労賞を受賞している。
講習では80代とは思えない速さで技を披露。参加者にいい刺激を与えた。多田師範は「合気道を通して心と体を健やかにすることができる。その元気を仕事にもつなげてほしい」と語った。
合気道奥州道場の一関教室に通う千葉沙也加さんは「多田先生からご指導を賜り、貴重な体験ができた。練習を続けて先生のように立派な人間になりたい」と話した。
- 投稿 2019/06/11
- 新聞記事
現役九段が技伝授
〜合気道奥州道場 特別講習会始まる〜

【奥州】
合気道の現役でただ一人合気会九段を保持する多田宏師範(89)=東京都=による特別講習会が8日、奥州市水沢秋葉町の水沢武道館で始まった。合気道創始者植芝盛平から直接教えを受けた多田さんに学ぼうと、県内外から多くの参加者が集まって稽古に励んでいる。
講習は合気道奥州道場が主催。菅原美喜子道場長(60)が多田師範に師事した縁で開き、今年で14回目となった。初日は同道場をはじめとする本県や青森、宮城各県、関東方面などから参加者が集まり、大学生から70代までの75人が指導を受けた。
多田師範は稽古の合間に植芝盛平の言葉を引き、目に見えない部分の鍛錬の重要性を強調。「気をつけないと体の緊張が心を縛る」「姿勢を安定させることは大切だが、型ばかり通そうとすると対象にとらわれてしまう」など、心身の平常を説いた。実演でも、年齢を感じさせない洗練された所作で技を見せた。
特別講習会は9日まで行われる。菅原道場長は「多田師範の門下生にも毎年来ていただき、多くの人が来ることが地元の道場生の刺激にもなるため感謝している」と話していた。
新しい一年を新道場でスタート 〜前沢の合気道奥州道場〜

合気道奥州道場(菅原美喜子道場長)は27日、前沢白山の道場で鏡開きを行い、新しい1年の鍛錬に向けて誓いを新たにした。
昨年6月に開設した新道場で初の鏡開き。奥州と一関の門下生らが集い、餅つきや演武で新年の門出に弾みをつけた。
少年部の演武では、子どもたちが日頃の稽古の成果を披露し、見守る保護者らへ成長の足跡をみせた。菅原道場長は合気道の成り立ちや精神などを解説しながら木刀を使った演武を披露した。
菅原道場長は「新しい拠点もでき、ともに励む仲間を増やしながら合気道に向き合っていきたい」と気を引き締めていた。