現役九段が技伝授

 

〜合気道奥州道場 特別講習会始まる〜

 


 

【奥州】
 合気道の現役でただ一人合気会九段を保持する多田宏師範(89)=東京都=による特別講習会が8日、奥州市水沢秋葉町の水沢武道館で始まった。合気道創始者植芝盛平から直接教えを受けた多田さんに学ぼうと、県内外から多くの参加者が集まって稽古に励んでいる。
 

 講習は合気道奥州道場が主催。菅原美喜子道場長(60)が多田師範に師事した縁で開き、今年で14回目となった。初日は同道場をはじめとする本県や青森、宮城各県、関東方面などから参加者が集まり、大学生から70代までの75人が指導を受けた。
 

 多田師範は稽古の合間に植芝盛平の言葉を引き、目に見えない部分の鍛錬の重要性を強調。「気をつけないと体の緊張が心を縛る」「姿勢を安定させることは大切だが、型ばかり通そうとすると対象にとらわれてしまう」など、心身の平常を説いた。実演でも、年齢を感じさせない洗練された所作で技を見せた。
 

 特別講習会は9日まで行われる。菅原道場長は「多田師範の門下生にも毎年来ていただき、多くの人が来ることが地元の道場生の刺激にもなるため感謝している」と話していた。